二月二日
久しぶりに、地下鉄 東西線の駅を上がった。
わりと見慣れた風景のはずだったが、書店業界の現実を目のあたりにする。
一年前、出版まもない時期にポスター正面に張ってくれた本屋さんが、コンビニに変わっていたのだ。
そこは、父親が2冊本を買うからと言って、5冊の平積み注文をとってくれた本屋さん。
堂々と飾られたA3ポスターは娘の笑顔写真で作ったので、
晴れやかな高揚した気持ちになったのを覚えている。
結局、二冊は無理だったが、姉が一冊買ってくれた。
私は、たまに覗きにいく程度だったが、少しは一般の人も買ってくれていたようだった。
ずいぶん長い間ポスターを張り続けて頂けたように思う。
出版後の緊張は尚も続いたが、おかげで自信の糸を切らさずに保てたのかもしれない。
今日は二月四日。
いつも使っているパソコンで本屋を検索してみると、5月12日の閉店だった。
丁度その時期は、渋谷の本屋さんからお声がけを頂き、本書のフェアをさせて頂き、
私は情熱の限り、大きな棚めがけて四苦八苦していた。
「檸檬」 で使う連奏かるたを夢中で作ったのも、閉店の時期と重なっている。
二月三日 午前の記憶。
私は、かるたと檸檬の企画書をもって、いつもの出版社にいた。
そこで、「檸檬」から一枚めくって頂いた。
古代、現在のような国境はなかった。 (本書 P211 古代グローバル)
古代、国境なきグローバル社会の海原で、
親元から一斉に放流される子供たち、
そこでは、自我の境を、土地に身体に、それぞれの方法で象っていく。
いつも僕らは人とすれ違い、心と身体に痛みを感じてしまうように、、、国境線のせめぎ合いは、
過去から未来にわたり、永遠にヒリヒリしてしまうような敏感な課題なのかもしれない。
でも、僕は、適当かどうかもわからないけれど、
自分が何をやっているか、自分でも説明つかないことも多いけれど、
このようにエールを送りたいと思う。
フレー!フレー!成文堂!
ガンバレ!ガンバレ! 成文堂早稲田駅前店の皆様!
本当に、ありがとうございました。
とても素敵な場所を体験できたことを感謝します。
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